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2018年7月13日 (金)

ロレンツォ・ヴィオッティにはがっかりした

 イタリアオペラは美しく輝く声の競演でなければならない。その
意味で、今日のトスカにはがっかりさせられた。

 みなさまご無沙汰しています。今日は暑さも一段落という東京で
す。
 新国立劇場の「トスカ」をみてきました。冒頭からとても変わっ
たことがおきました。
 演奏前に劇場のプロデューサーという方が現れて、
 「『トスカ』役の『キャサリン・ネーグルスタッド』さんは、今
日はとても調子が悪いので、お客様にはほんとうに申し訳ありませ
んとおっしゃっております。そしてそのことをぜひお客様に伝えて
ほしいとおっしゃったので、みなさまにお伝えします。」
とのこと。ぼくもずいぶんオペラを観にきていますが、こんなこと
は初めてで、まずがっかりしました。でも調子が悪いってどれぐら
い悪いんだろう、なんていう気にもなっていました。演奏は最初か
らぎこちなく、不安定で、どうにも緊張感にかけるもので、カヴァ
ラドッシのアリアにかかった頃には、なんともテンポ間延びした演
奏となりました。いよいよトスカの出番、でも調子が悪いようには
聞こえません。その後の二重唱も極端に遅いテンポのままで、歌手
たちは歌いにくいだろうな、と感じました。その後もこの傾向は続
き、なんともフラストレーションの残る午後でした。
 ぼくは、指揮者のロレンツォ・ヴィオッティの演奏スタイルに原
因があるのだと思います。もちろん、新しい表現の仕方を試みるこ
とは悪いことではありません。でも観客は(美しく輝かしい声の競
演)を楽しみにしているのです。それを際立たせるためにピアノで
演奏することはあるでしょうが、多すぎてはいけません。トスカの
『歌に生き恋に生き』はその典型的な例だと言えるでしょう。なに
しろ最後までピアノでゆったりした、緊張感のないてんぽなのです
から。
 冒頭の(キャサリン・ネーグルスタッド)さんの言葉は、せめて
もの抵抗だったのではないか、とぼくは感じました。歌手のみなさ
んがとても良かっただけに、とても残念な午後でした。

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